Img
UNIWEFの概要

国際連合廃棄物基金(UNIted nations WastE's Fund、略称UNIWEF)はアフリカを中心とした発展途上国における清掃活動を 主な活動内容とする国際連合(国連)の機関です。また、UNEPやUNICEFといった国連機関と協力し、 絶対的貧困の解消・人権の保護・経済の成長等を目的とした、発展途上国に対する包括的な支援活動を行っています。 近年では廃棄物処理技術の研究や、廃棄物処理に伴って得られる新エネルギーの開発も行っており、 持続可能な次世代エネルギーの必要性を世界に提言しています。



発展途上国の現状

多くの発展途上国では毎日膨大な量のゴミが処理できずに捨てられています。その量は一日に3000万tを超えるとも言われ、 街の路上や公園、空き地、池などに山積みにされています。住民の生活圏内に捨てられるゴミの中には生活ゴミのほか、 人体に健康被害を及ぼす有害物質を含むゴミも含まれており、伝染病の拡大など住民の暮らしに与える影響は甚大です。 UNIWEFが2010年に行った実態調査によれば、廃棄物の処理が十分に行き届いていない地域は貧困率と犯罪発生率が高く、 伝染病の罹患率が高いというデータが出ています。伝染病の罹患率と平均寿命の短さは比例しており、 子どもたちが健康的に育つことのできる環境ではないと言えます。特にスラムにおけるゴミ問題は他の地域と比べ物にならないほど酷く、 ゴミ山と呼ばれるゴミの不法投棄が行われる場所があります。その名の通りゴミが山積みとなっており、 そこに少しでもお金になるものを探す人々が集まり大きな社会問題となっています。

発展途上国で伝染病・感染症が蔓延し、医療環境が改善しないのにはいくつか原因があります。 第一に、生活の場における衛生環境が良くないことです。住んでいる場所にゴミが多いと免疫力が低下し、 伝染病に感染しやすいのです。第二に、ゴミを回収するインフラが整っていないことです。 インフラが整った国ではゴミ収集車がゴミを回収しに来てくれますが、発展途上国ではそうではありません。 結果として、路上や空き地など生活の場の近くに捨てられることになります。第三に、医療について研究し 医者を育てる為の教育が十分になされておらず、医療技術が向上する基盤が存在しないことです。 発展途上国の多くの医療機関は慢性的な人手不足や医療機器不足に苦しんでいます。 薬や医療機器はほとんどが輸入品の為高価であり、供給が不安定な傾向にあります。 第四に、一部の地域において医学の知識に基いていない伝統的な治療法を使用する人が多いことです。

また、今日のアフリカにおける生活環境はとても良いとは言えません。これには様々な理由があります。 アフリカの殆どの国は経済的に恵まれていません。他国に頼らずに自国を維持できる産業が少ない国が多く、 アフリカで盛んな鉱業も欧米やアジアなどの先進国の資本に牛耳られています。しかしアフリカでは人口が増える傾向にあり、 それらの殆どは農業に頼って生活しているので必然的に農地や放牧、水の需要が増えて砂漠化が進行してしまうのです。 そういった砂漠で洪水が起きた場合防ぐ方法がなく、多くの人が犠牲になります。さらに土壌が泥となってしまい、 泥を含んだ河の水を飲み水や調理、洗濯などに利用するために、下痢や感染症を引き起こしてしまいます。



UNIWEFが掲げる5つの目標
☑清掃範囲の拡大

2017年現在、UNIWEFはアフリカを中心とする世界36カ国で清掃活動を行っています。 私達はこれを2030年までに世界50カ国まで拡大したいと考えており、既に清掃活動を行っている国においても、 よりきめ細やかな清掃が行えるよう努力します。また現在、UNIWEFによって回収されるゴミの量は年間平均30tほどですが、 私達はこれを2030年までに年間50tにまで引き上げたいと考えております。

☑伝染病・感染症の予防

健康でいられることより幸せなことはありません。カメルーンでは現在でも毎年700人以上の子どもが、 廃棄物を感染源とする伝染病によって幼い命を奪われています。UNIWEFの清掃活動のおかげで伝染病の発症率は20年間で約65%減少しましたが、 まだ不十分です。一人でも多くの命を救うために、清掃活動のみならず、ワクチンの寄付など医療によるアプローチを促進していきます。

☑教育環境の改善

カメルーンの識字率は約68%で、決して高い数字とは言えません。子どもたちに十分な教育を受けさせることは、 経済の発展という観点から最も重要なことです。発展途上国では、教師や校舎の不足を理由に初等教育すら行き届いていない地域も依然として多く、 それが貧困に直結しているという意見もあります。そのため、教育環境の改善は喫緊の課題と言えます。 UNIWEFは、募金活動により校舎を建設するための資金を調達し、優秀な教師を発展途上国へ派遣します。

☑芸術作品の伝承

アフリカには素晴らしい芸術作品が数多く存在します。芸術と言っても絵や像だけではありません。 音楽や文学、演劇など、その形態は様々です。この中でも我々が特に重心を置いているのは音楽です。 アフリカの主な楽器は太鼓で、ドゥンドゥンやトーキングドラムなどアフリカの各地で演奏されてきました。 しかしこのような楽器は今日、消滅の危機にあります。原因はいくつかありますが、最も深刻なのは奏者(後継者)の不足です。 楽器の演奏の複雑さや若者の西洋化などにより奏者の数が年々減少しているのが現状です。 我々UNIWEFはこのように消滅の危機にある芸術を後世に残すべく活動しています。 状況に応じて詳細は変わりますが、大抵は映像や音声、複製により資料として保存し、 演奏方法や絵の描き方などの技を芸術家の方から教えていただき、途絶えさせないように知識として保存しています。



UNIWEFの活動の一部をご紹介
カメルーン・リンベの海岸をきれいに
Img

1991年から1993年まで、私達はカメルーン・リンベで清掃活動を行いました。海との関わりの強いこの町の問題はやはり海に多く、 海岸には多くのゴミが流れ着き、砂浜で遊ぶ子どもたちは靴を履かないと怪我をしてしまう程でした。3年に及ぶ懸命な作業の結果、 私たちは砂浜に散らばるゴミの除去を無事完了させることができたのです。この活動によってリンベの水産業はより豊かになり、 綺麗になった砂浜で子どもたちがはしゃぐ姿が見れるようになりました。

教育の現場を支援
Img

子どもたちと一緒に小学校の校舎や校区内の清掃活動を行い、校庭では子どもたちが元気にサッカーをして遊べるようになりました。 発展途上国には小学校に通えない子どもたちがまだまだたくさんいます。 私たちの目標は全ての子どもに清掃な環境の下で十分な教育を受けさせることです。 小学校のない町に校舎を建設する為に、募金のご協力をお願いしています。 今まで数多くのご支援を賜り、UNIWEFによって建設された小学校は56校にも上ります。

世界に広がるアフリカの楽器
Img

1989年から現在まで、私達はアフリカ中の伝統的な楽器を広める活動をしてきました。 カリンバやトコロコなどの楽器のコンサートをカメルーンだけでなく世界中で開催することで世界に広く知れ渡りました。 さらに行く先々で講習会を開き、現地の方と共に演奏をすることで後継者を増やす活動も行ってきました。 こういった努力により、現在では世界中にドゥンドゥンをはじめとしたアフリカの楽器が伝わり、愛されるようになったのです。

inserted by FC2 system